結婚詐欺師が主人公の数少ない小説
結婚詐欺の被害を防止する情報サイトです。
このページでは乃南アサの「結婚詐欺師」という小説に学びたいと思います。
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本と著者について
乃南アサの「結婚詐欺師」は、男性の結婚詐欺師を主人公としてその生態をつぶさに描いた小説です。
新潮社文庫、幻冬舎文庫の間で移籍しながら発行されています。
調べる前は、そういう小説は複数あるのではないかと思っていましたが、アマゾンで「結婚詐欺」を検索した結果では、これだけでした。
乃南アサは、犯罪・警察小説をたくさん書いている直木賞作家。
この小説も著者らしく、警察関係者含めて多くの人に綿密に取材した上で書かれています。
単なるフィクションにとどまらない、結婚詐欺師の実態がよくわかる資料でもあります。
時代が90年代で、ポケベルが使われていたり、現代とは違う状況も出てきますが、本質は同じはず。
あらすじ
結婚詐欺師・橋口雄一郎は、ゲームソフト開発会社の社長にして大学講師という肩書。
次々に女を騙して金を引き出し、その金で豪遊する生活を送っていた。
1人の騙された女が刑事・阿久津洋平に相談に来たことがきっかけで、捜査班が組まれ、半年以上にわたる橋口の調査が始まる。
橋口の本名は松川学で、累犯の犯罪者と判明。
巧みな変装で複数の年齢のキャラを演じ分けて、常に同時進行で複数の女とつきあっている。
既婚者であり、妻・澄子は学に人生を破壊されて、生活保護を受ける身でありながら、離婚していないこともわかった。
捜査の網が狭まっていく中で、最新のカモ・江本美和子が浮上する。
彼女は阿久津の昔の恋人だった。
阿久津は彼女に真実を知らせて被害を防ぎたいという気持ちと、逮捕まで秘密を守らねばならない警察官の義務の間で苦悩する。
ついに阿久津は美和子に真実を告げた。
美和子が橋口に会って直接確認しようとした機会をとらえて、捜査班は橋口を逮捕する。
阿久津のおかげで美和子の被害は比較的少額にとどまったが、阿久津への感情は複雑なものだった。
彼女は「橋口に会って、初めてあなたと別れた理由が分かった」と言ったのだった。
被害者リスト
曽田理恵 | 橋口の行きつけのメンズアパレルショップの地味なアラサー店員。 |
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槇 登与子 | 橋口の行きつけの小料理屋の女将。店の入っているビルを所有。40代半ばで小柄。 |
吉田邦子 | 郵便局勤務。明るい性格だったが、橋口にすべてを奪われて、電車に飛び込み自殺。享年37歳。 |
宮脇千草 | 60代の未亡人。アパートを2つ所有していたが、橋口のために売却し、ノイローゼになる。 |
山崎元子 | 31歳のホステス。警察に被害の相談に来て、阿久津が対応。捜査チーム立ち上げのきっかけになった。 |
新井和子 | 44歳。幼稚園教諭。被害金額1200万円。 |
江本美和子 | 30代半ば。刑事・阿久津の元恋人。小柄で若々しく、頭もよく、男勝りな性格だが、騙されてしまう。 |
松川澄子 | 橋口こと松川の妻。被害者の一人だが、結婚しなければ訴えると迫って入籍した。しかし、その結果、すべてを失い、親類とも絶縁状態に。生活保護を受けながら、最底辺のアパートで帰ってこない夫を待つ境遇に。 |
この小説に学ぶ結婚詐欺師のテクニック
★セクレタリーサービスを利用して、事前に設定した時間に電話を入れさせ、頻繁に仕事の電話が入っているとみせかける。
★相手が距離を詰めようとすると、突然激しく怒って萎縮させる。
★「君との結婚のために、こんなに仕事を頑張ってるせいで会えないのがわからないのか?!」など。
★相手が謝ると猫なで声でなだめる。
★相手が勝気な性格の場合は、恐怖で萎縮させるのは逆効果なので、逆に途中で負けてやる。
★地方や海外への出張というスケジュールを告げ、その間に別の相手に会う。
★友人の息子の不始末で急にお金が必要になった話をしながら、結婚式場のパンフを見せ、「私が立て替える」と言わせる。
★お店の改装費を全額負担すると言った上で、グルの偽内装屋を紹介し、夢のようなプランを描かせて、手付金を払わせる。
・・・などなど。
探偵を使って主人公を調査したら?
あなたがこの小説の結婚詐欺師・橋口と付き合って、ちょっと懸念を持っているとしましょう。
橋口は2日連続して同じ女性に会うことはなく、複数の女性と日を分けて会い、かつ新規開拓もします。
このように結婚詐欺師は、同時進行で複数の女性とつきあうのが一般的です。
絞り取ったら捨てて、新規開拓もし、仕事として次々と回していかねばならないからです。
だから、探偵を使って数日から一週間も行動調査をかければ、結婚詐欺師かどうかは判別できます。
小説の中では賢いタイプの女性さえ、時折疑念を抱きながらもずるずると騙され続けてお金を絞り取られていきます。
そして、一文無しになったり、自殺に追い込まれたりしています。
もし橋口に渡すお金の一部を使って、探偵を雇っていたら、彼女らの運命は変わっていたでしょう。
あなたの交際相手が、「橋口のような人間かも」と髪の毛一本でも疑念があるなら、下記のリンク先を一読してみるべきです。
実写ドラマ
この小説は、2007年にWOWOWのドラマWでテレビドラマ化されています。ご参考まで。
キャスト
- 阿久津洋平:内村光良
- 橋口雄一郎:加藤雅也
- 江本美和子:鶴田真由
- 曽田理恵:星野真里
- 藤本ゆか:満島ひかり
- 山崎元子:鈴木蘭々
- 宮脇千草:夏樹陽子
- 浜田マスター:相島一之
- 松川澄子:秋本奈緒美
- 槇登与子:東ちづる
- 奥寺広和:遠藤憲一
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